第4章ー2 精油製造法

精油製造法

精油は、その抽出部位の特性に合わせて、以下のようにいろいろな方法で抽出されます。

・水蒸気蒸留法

 (熱に弱いもの、水溶性の成分を多く含むものには向かない
    装置が比較的簡単で安価なので、この方法による精油が多い。
    水蒸気で芳香成分を蒸発させる=水蒸気の中に芳香成分が混ざっている。  
    これを冷却すると、水と芳香成分に分かれる。
      ○上に浮いた芳香成分=精油
      ○下に溜まっている水の中にも水溶性の芳香成分がとけている

         =芳香蒸留水(フローラルウォータ)
         ローズウォーター、オレンジフラワーウォーター、ラベンダーウォーターなどがある。
      
         参考) オレンジ・ビターの花から精油としてネロリ、
             芳香蒸留水としてオレンジフラワーウォーターが採取できる。

   2級の範囲では
    花/イランイラン
    花と葉/ラベンダー
    葉/ゼラニウム ・ ティートリー ・ ペパーミント ・ ユーカリ ・ ローズマリー
    果実/ジュニパーベリー

   1級の範囲では他に
    花/カモミール・ジャーマン ・ カモミール・ローマン ・ ネロリ ・ ローズオットー
    花と葉/クラリセージ ・ メリッサ
    葉/スイートマージョラム ・ パチュリ ・ レモングラス
    葉と果実/サイプレス
    果実/ブラックペッパー
    根/ベチバー
    心材/サンダルウッド
    樹脂/フランキンセンス ・ ミルラ

圧搾法

(主に柑橘系の果皮から抽出する方法)
    果皮を低温で圧搾して得る。
    熱による成分の変化がないので、自然の香りが得られる。
    原料植物の絞りかすなどの不純物が混入することがあるので、
    他の抽出法で得られた精油より劣化が早いので注意

   2級の範囲ではオレンジ・スイート ・ レモン
   1級の範囲ではグレープルフルーツ  ・ベルガモット

油脂吸着法

(古くから行われていた方法)
    たいへん手間がかかるので、現在ではほとんど行われていない。
    油脂が芳香成分を吸着する性質を利用
    生成し無臭にしたヘットやラードの混合物、オリーブ油などを使用。
    アンフルラージュ(冷浸法=常温で行う)
    マセレーション(温浸法=60~70℃で行うがある。
    芳香成分を高濃度に吸着し、飽和状態になった油脂「ポマード」という。
    エチルアルコールに「ポマード」の芳香成分を溶かしだしてから、
    エチルアルコールを除いて最終的に得られるものを「アブソリュート」という。

揮発性有機溶剤抽出法

 (芳香成分を直接溶かして得る)
    油脂吸着法に代わって利用され始めた方法。
    石油エーテル、ヘキサンなどの揮発性の有機溶剤を用いる
    植物から溶剤の中に、芳香成分と一緒に天然のワックス成分も溶け出し、
    半固体状になる
(=コンクリート
    エチルアルコールを使ってコンクリートから芳香成分を溶かし出し、
    ワックス成分などを分離したあと、エチルアルコールを除くと、
    「アブソリュート」が得られる。
  
   注)「アブソリュート」には溶剤が少し残る場合があるので、
     精油とは区別してこう呼ぶ。

   1級の範囲では
    花/ジャスミン ・ ローズアブソリュート
    樹脂/ベンゾイン(レジノイド)

    参考) 「アブソリュート」は花から抽出したもので、
       「レジノイド」は樹脂などから得たのものをいう。
       (レジノイドは芳香持続のために保留剤としても使われる)

超臨界流体抽出法

(二酸化炭素などの液化ガスを溶剤として使用)
    
芳香植物そのものの香りを得ることができ、安全性が高いという利点があるが、
    装置が高価なため一般的ではない。
    これで抽出されたものも「アブソリュート」と呼ばれる。