第1章 1 アロマテラピーの楽しみ方

ポイント 
1級では、2級で学習した楽しみ方以外の方法、手作り化粧品やトリートメントなどに必要な知識を覚えましょう。

 

アロマテラピーの基材

精油は分子が非常に小さく肌への浸透性が良いが、大変凝縮されたものなので、原液を直接肌につけることはできません。
そこで、安全な濃度に希釈することが必要になります。
希釈する材料を基材とよびます。
基材はそのもの自体が効能や特性をもっているので、良く理解し目的や肌質にあったものを選ぶ必要があります。

植物由来の植物油(キャリアオイル、ベースオイルとも言う)

 トリートメントオイルを作るときに良く使われる。
 食用のものではなく、トリートメント用のものを使用。
 安全ではあるが、種類によっては肌質に合わない成分のものもあるので、必ずパッチテストで肌への刺激をチェックをすること。
 色やにおいもチェックする。
 酸化しやすいので、キャップをきちんと締める。
 直射日光があたらず、湿度が高くならない所で保管し、できるだけ早く使い切ること。

 *パッチテストの方法
  前腕部内側に使用したいトリートメントオイルを塗り、24~48時間そのままにして様子を見る。
  肌が痒くなったり赤くなったりしたら、肌に合わないということになる。
  途中でもそのような症状が出たら、すぐに大量の水で洗い流すこと。

スイートアーモンド
  種子からとる。においはほとんど無い。色は無色~薄黄色
  主成分はオレイン酸とリノール酸
  化粧品の材料としてよく使われる。

オリーブオイル
  果実からとれる。においは微香。色は淡黄色~淡緑黄色
  主成分はオレイン酸とリノール酸
  美容や医療の分野でよく使われる。

マカデミアナッツオイル
  種子からとれる。においはほとんど無い。色は淡黄色
  主成分はオレイン酸とパルミトレイン酸(20%)
  パルミトレイン酸は皮脂に含まれる成分なので、浸透性が非常に良い
  スキンケア用によく使われる。

ホホバオイル
  種子からとれる。においは微香。色は無色~黄色
  主成分はロウエステル
  液体ワックスなので、冬場の寒さで固まることがあるが、常温で溶け酸化しにくい
  ボディトリートメントによく使われる。

植物性スクワラン
  オリーブオイルなどに由来する炭化水素を還元して得られる、飽和炭化水素(ロウでも油脂でもない)。
  酸化しにくい。
  肌になじみが良く浸透性にすぐれているので、手作り化粧品に使われる。
  

水性の基材


精製水、蒸留水、飲料水など
 (市販の飲料水ははミネラルの少ないものを使用する)

芳香蒸留水(フローラルウォーター):
 植物を水蒸気蒸留したとき、上部に浮いてくるのが精油で、その下部を芳香蒸留水という
 芳香蒸留水の中にも、精油の成分が含まれている。

 ローズウォーター、ラベンダーウォーター、オレンジフラワーウォーター、カモミールウォーターなど。
 *オレンジフラワーウォーターは、オレンジ・ビターの花からネロリを抽出した時に得られる。 

 その他の基材

アルコール(エタノール)
 無水エタノール(アルコール純度 99.5%)
 消毒用エタノール(アルコール純度 70%)
 ウォッカ(アルコール純度の高いもの)

ミツロウ
 ミツバチが巣を作るときに分泌するワックス。分類はロウ。
 軟膏やクリームを作るときに植物油と共に使用。
 湯煎で60~66℃で溶ける

クレイ
 鉱物が主成分の粘土
 吸収、吸着、収れん、洗浄などの作用がある
 カオリンやモンモリロナイトなどがあり、パック剤、ハップ剤に使用される。
 
 注) モンモリロナイト: モンモリオナイト、モンモリヨナイトともいう。
                敏感肌、乾燥肌に向いている。

グリセリン
 無色透明の液体
 脂肪や油脂から採れる。
 保湿作用があるので、化粧水やクリームを作るときに使用するが、入れすぎると逆に乾燥するので、使用量に注意。 


 海塩や岩塩など天然塩にはミネラルが含まれている
 発汗作用があり、体内の毒素を排泄する効果がある。

重曹(=炭酸水素ナトリウム
 皮膚の柔軟作用・洗浄作用がある。
 クエン酸と組み合わせると、発泡バスソルトが作れる。

ハチミツ
 保湿作用と肌の炎症を鎮める作用がある。
 入浴剤やパック剤に用いる。

安全のための注意

大切な注意事項

 ・原液を直接肌に塗らない
 ・精油の原液が直接肌についたときは、大量の水で洗い流す
 ・精油を内服、飲用しない
   (海外では専門家が内服を指示することが稀にあるが、ホームケアでは決してお薦めできません)
 ・点眼しないように、また目に入らないよう注意する。
 ・子供やペットの手の届かない場所に保管する。
 ・精油は製造時より成分の変化が始まっている。
  特に高温多湿や空気(酸素)、紫外線などにより変化が早まるので、キャップをしっかり締めて冷暗所に保管すること。
 

 追記) 応急処置はインストラクターの範囲ですが、ご参考までに。
      誤飲したとき:
        決して吐きだそうとせずに、直ちに大量の水で口の中をすすぎ、すぐ病院に行く。
      目に入ってしまったとき:
        直ちに大量の水で洗い流し、決してこすらずに、すぐ病院に行く。
    

お年寄りや既往症のある方、敏感な体質の方のための注意事項

  基準の半分量以下で試してから使用する。
  不快感を感じたら、しばらくアロマテラピーは避ける。
 

妊婦のためた注意事項

 妊娠時は体質が変化し肌も敏感になっていることがあり、妊娠前に問題なかったものでも合わなくなることもある。
 事前のチェックは忘れずに行うこと。
 また、芳香浴法以外の方法でアロマテラピーをする場合は、経験を積んだ専門家に相すること。

乳幼児のための注意事項

  3歳未満の乳幼児には芳香浴法以外はおすすめではない。
  3歳以上であっても、体重を考慮し大人に使用する量の半分以下。少ない量で行うことが望ましい。

そのほかの注意事項

   ・ポプリ用香料など合成芳香剤はアロマテラピー用には使用できない。  
      ・精油成分のなかにはベルガプテンなどフロクマリン類を含むものがあるが、ベルガプテンは光毒性があるので、
    外出前や外出中に使用するときは、十分な注意が必要。
   (1級の試験範囲では、ベルガモット、レモン、ブレープフルーツに含まれる) 
 
  注) 光毒性ー強い紫外線に反応して皮膚に炎症をおこすなどの毒性を示す。

ハンドトリートメントを他の人にする時の注意事項

 ・受ける方への説明と同意
   ハンドトリートメントの目的は健康維持とリラクセーションなので、事前にそれを説明して同意を得ること。
   受け手に健康状態が良好であることを確認する。
   途中でも気になることがあったらすぐに申し出るようお願いする。
   使用する精油や植物油やその香りについても説明をし、同意を得ること。

 ・衛生
   行う人は爪を短くし、指輪やアクセサリー類をはずす。
   行う人も受ける人も石鹸で肘から手までよく洗う。
   (終了後も同様に)

 ・環境
   受け手が安心して受けられるように環境を整える。
   (室温、照明、エアコンの風向き、携帯電話はマナーモードになど)
   トリートメント中に時々声掛けして、受け手が心地よいと感じているか確認をする。

 ・姿勢
   行う人と受け手が向かい合ったかたちになりますが、お互いに無理のない姿勢で行うこと。