皮膚とは
・人体で最大の臓器(外臓)
・身体の保護膜(呼吸、排泄、栄養貯蔵、免疫などの生体防御)
・体温の調節
・身体の感覚器(触覚、温覚、冷覚、痛覚、圧覚)
・日光を浴びて、ビタミンDを産生
・全身の健康を計るバロメーター
皮膚の表面は、弱酸性(日本人はph 5.2-5.8位)の皮脂膜で覆われていて、菌を寄せ付けない環境になっている。
皮膚は外胚葉由来の表皮と中胚葉由来の真皮・皮下組織の3層から成る。
参考)
浸透: ごく浅い層で潤す(化粧品などで、皮膚の表面に直接作用が及ぶ)
吸収: 精油成分は小さいので、皮膚の真皮層に吸収されて血管に入って行くため、
アロマテラピーの効果が期待できる。
表皮 (外胚葉由来)
皮膚表面から、角質層、淡明層(手掌、足裏のみに存在)、顆粒層、有棘層(ゆうきょくそう)、基底層の5層構造から成り、
血管は通っていない。
表皮を構成する細胞は、基底層(一層円柱構造)にある角質産生細胞(ケラチン細胞)で産生され、
形・名前を変えながら上へ上へと移動し、角化してケラチン(フケ、垢)となって角質層から剥離していく。
これをターンオーバー(新陳代謝)といい、約28日周期で行われる。
PS) 角化とは、基底層から角質層まで、細胞の形を変えながら、移動していくことをいう。
・角質層 - 死んだ細胞(ケラチン)の層。
角質層の角質細胞の中にあるNMF(天然保湿因子)と、細胞同士をつなぎ合わせるセラミド(細胞間皮質)、
そして皮脂膜で、皮膚内の水分を外に逃さないようにしている。
水分量20%くらいが良好な皮膚の状態。
角化細胞は基底層から約14日で角質層まで到達し、約14日後にフケや垢として剥離する。
*皮脂膜 - 目に見えない汗と皮脂でできている。
ph 5.2-5.8 の弱酸性なので、菌がつきにくい。
参考) ph 1(強酸。胃酸など)
ph 7(中性。血液)
ph11(石鹸、脱毛剤な)
ph14(強アルカリ性。灰汁)
アフリカの人はph4-6なので非常に菌に強い
・淡明層 - 手掌、足裏のみに存在
・顆粒層 - ガラス質状の顆粒。
紫外線を反射させて中に入らないようにする。
・有棘層 - 表皮の中で一番厚い層
組織液が流れていて栄養を運ぶ。
知覚神経がここまで伸びていて、痛覚が一番多い。
・基底層 - 角質産生細胞は分裂して上の層に移動していく。
細胞のうち10個に1個はメラニン産生細胞(メラノサイト)で、紫外線を受けるとメラニン顆粒を作り、
周辺の表皮細胞に配って、紫外線から皮膚を守る。
メラニン顆粒も皮膚の角化に伴い、皮膚表面に押し上げられ、角質となって剥がれ落ちる。
ビタミンE(天然の抗酸化作用)は、メラニン生成を促す活性酸素ができるのを抑え、
メラニンの増加を間接的に抑える。
参考) 紫外線は、3月~5月が一番強い
UV-A: 窓ガラスも透過。 真皮層まで届く。
サンターン(日焼けで色素新着)
<化粧品についている表示の意味>
PA+: 効果有
PA++: かなり効果有
PA+++: 非常に効果
UV-B: 表皮内でほとんど散乱。吸収される
サンバーン(炎症、紅斑=シミ・ソバカス・乾燥)
*化粧品についている表示の意味
例) SPF12は、20分x12という意味で、240分有効
真皮 - 中胚葉由来
・乳頭層(基底層の下)と網状層(乳頭層の下)からなる。
・繊維性結合組織(密生結合組織)。
・血管が豊富。
・体温調節をする。
紫外線を長く受けると、角質層が肥厚し、真皮層のコラーゲンが破壊されて、シワやしみができる。
ビタミンCはメラニン生成を抑え、生成されたメラニンを還元し色を薄くし、コラーゲンを修復する。
・乳頭層 -血管乳頭と神経乳頭からなる。
・網状層 - 膠原線維(コラーゲン)90%と、それを絡めている 弾性繊維(エラスチン)が網状に交錯。
その隙間にヒアルロン酸があり水分保持をしている。
(コラーゲン産生にはビタミンCが欠かせない)
皮下組織 - 中胚葉由来
・疎性結合組織からなり、真皮に徐々に移行。
・筋膜や骨膜とゆるく結合。
・脂肪細胞が豊富で、皮下脂肪層をつくっている。
・血管とリンパの網が張り巡らされていて、保湿と栄養貯蔵をしている。
その他の、皮膚の構造
汗・汗腺: 皮下組織から真皮の深層まで伸びている。
99%は水。他に塩化ナトリウム・乳酸・尿素
・小汗腺(エクリン腺)-毛穴とは無関係に全身に存在。
手掌や足裏に多い。
体温調節に関与する。
・温熱性発汗 - 視床下部の発汗中枢に作用。
体温調整をする。
(熱は主に骨格菌や肝臓で生産され、皮膚や肺などから放散され、
視床下部にある体温調整中枢でコントロール)
・精神発汗 - 大脳皮質の反応(冷や汗)。
体温調節にはあまり関与しない。
・大汗腺(アポクリン腺)-毛包上部に開口。皮脂と同じところから出る。
腋窩・外陰部・へその回り・外耳道だけに存在。
体温調節には関与しない。
特有なにおいを持つものもある
皮脂・皮脂腺:
・脂腺から皮脂が分泌される。
・掌、足の裏を除く全身にある。
・毛包の上部に開口する毛脂腺と、毛とは関係なく皮膚の表面に開口する独立脂腺がある。
・アンドロゲン(男性ホルモン)とエストロゲンの影響を受ける。
・加齢とともに減少。
・夜中より、昼間のほうが分泌が多い。
・皮脂分泌のトラブル- ニキビ・吹き出物・脂漏性皮膚炎
皮膚とホルモンとの関係
アンドロゲン(男性ホルモン):
角質を肥厚し、皮脂分泌を促進する。
(思春期には分泌量が多いので、ニキビなどができやすくなる)
エストロゲン(女性ホルモン):
皮膚に水分を貯留、血管を拡張し組織の活動や新陳代謝を促進する。
表皮の角化の進化を早め、正常な角化を促進する。
○思春期と更年期以降は、女性ホルモンより男性ホルモンの分泌量の方が多い)