においの伝達
☆においを嗅いでから、においの認識をするまでのルート
嗅上皮の粘膜 → 嗅毛(絨毛) → 嗅細胞が興奮 → 嗅神経(第1脳神経) → 嗅球・嗅索 → 大脳辺縁系 → 大脳皮質の嗅覚野
注) 嗅神経は20本で一束になっていて、これを嗅糸という。
においを嗅ぐと、嗅上皮の粘膜(におい成分の分子が鼻腔の天井あたりにあるにおいを感じる部分)に付着し、
嗅細胞が出している嗅毛に受容され、嗅細胞が興奮する。
その刺激は電気的信号(インパルス)に変換され嗅神経に伝わり、篩骨(しこつ)の穴を通って、
大脳の前頭葉下面にある嗅球・嗅索を経て、大脳辺縁系に到達し、記憶や本能行動と結びつき、
更に視床下部に伝わりすぐに生理作用を起こす。
そして、少し遅れて大脳新皮質の嗅覚野に伝わり、何のにおいかが認識される。
◎嗅覚の受容器は嗅毛、香りの認識は大脳新皮質の嗅覚野で行われる。
注) このように、におい(香り成分)は鼻腔から脳へ直結しているが、
一部は鼻腔の粘膜にあるキーゼルバッハVという所に集中している血管からも、体内に入る。
参考) 鼻血はキーゼルバッハVからでる。
大脳辺縁系では、「いいにおい」「いやなにおい」「心地よいにおい」「危険なにおい」などと、過去の記憶などと
結びつけてにおいを感じ、視床下部に伝わるとその感情に基づく生理作用(リラックスや緊張など)がおこる。
そして大脳新皮質の嗅覚野では、それが「ラベンダー」であるとか「有毒ガス」であるとかの、においの具体的な認識がされる。
嗅覚と味覚は化学的受容器で、視覚、触覚、聴覚は物理的受容器といわれている。
参考) 味覚の受容器は味蕾
嗅覚の特性
・他の感覚(聴覚、視覚、味覚、触覚)より敏感であるが、嗅細胞は疲労し易いので、長く嗅いでいるとにおいを感じなくなる。
・順応し易い(においに慣れやすい)が、そのにおいが強くなると嗅細胞に強い刺激が伝わるので、
再びにおいを感じることができる。
(いつも同じ精油を使っているとあまり匂わないと感じてきて、だんだん使用量を多くしてしまいがちです。
適正濃度を超えないように気をつけよう。)
参考) ひとつのにおいを長く嗅いでいると、そのにおいを感じなくなるが、
これは選択的疲労なので、他のにおいがしてくるとそれを感知できる。
・個人差がある
女性は男性より敏感=女性のほうが男性より閾値が低い。
月経や妊娠時には特に敏感になる(ホルモンの関係で閾値が変わる)。
有色人種のほうが白色人種より敏感。
加齢と共に閾値は上がる=鈍感になる。
参考) 嗅覚の閾値:においとして感知できる最小値のこと。
閾値が低いということは、少しの量でにおいがわかるということ。
・健康状態で変わる。
*ノイローゼ、更年期障害、副鼻腔炎などで見られる症状
・嗅覚異常: 物のにおいがわからなくなる。
・嗅覚倒錯: よいにおいを悪臭と感じたり、悪臭をよいにおいと感じたりする。