抗体産生のメカニズム
体の中に異物(抗原)が入ってくると
①まず顆粒球の好中球、次に単球のマクロファージ(抗原提示細胞)が働くが、処理しきれない場合、
②マクロファージはリンパ球のT細胞に抗原を提示する。
③感作リンパ球がリンホカインを産生して、マクロファージの食作用を増強する一方で、
④ヘルパーT細胞は、B細胞に抗体をつくることを命令する。
⑤B細胞は形質細胞に変形して、抗体をつくる。また、オプソニン効果でマクロファージの食作用を助ける。
⑥抗体をつくり過ぎた時、サプレッサーT細胞が抑制を命令。
参考) ひとつの抗原に対して、ひとつの抗体=鍵と鍵穴の関係
(ex. 香港A型の予防摂取を受けても、違う型のインフルエンザには効果がない)
・サイトカイン:
情報伝達物質のひとつで、細胞間の相互作用を調整するはたらき。
リンホカイン・インターフェロン・インターロイキン・TNF(腫瘍壊死因子)など。
がん細胞への働き
がん細胞に対しては、NK細胞とキラーT細胞、マクロファージが働く。
免疫機能が低下すると、がん細胞が増殖し、がんが発生する。
HIVウイルスとは
エイズのHIVウイルスは、ヘルパーT細胞を破壊するのでHIVに感染した人は抗体が作れなくなる。
結果として、日和見感染が起きる。
注) 日和見感染: 通常では問題にならないようなカビや細菌による感染がおこること。
自己免疫疾患
抗体やリンパ球が自己の細胞(組織)を攻撃し、傷つける。 (膠原病、バセドウ病、橋本病)
アレルギー
発症機能の違いで4型に分類される
I型: 即時型。
IgE抗体が肥満細胞に結合し、そこに抗原が結合すると、ヒスタミンなどが放出される。
(気管支喘息・じん麻疹・アナフィラキシーショックなど)
II型: 即時型 (溶血性貧血)
III型: 即時型 (糸球体腎炎・リウマチ熱など)
IV型: 遅延型 (化粧品かぶれ・肝炎・移植による拒絶反応)
☆鼻炎のメカニズム
①抗原が入ると抗体(IgE)ができる。
②再度同じ抗原が入ると肥満細胞と結びつく。(抗原抗体反応)
③ヒスタミンが放出される。(ヒスタミン:血管の拡張、盛り上がる→かゆみやぶつぶつがでる)
④鼻粘膜に分布している三叉神経を刺激して、くしゃみがでる。
⑤毛細血管や分泌腺なども刺激して、血管が拡張、鼻水、鼻づまりなどの症状を起こす。