内分泌系(最高中枢は視床下部)
・ホルモンをつくる器官を内分泌腺あるいは内分泌器官という。
・ホルモンは血液中に放出され、目的の器官に微量でゆっくり働く。
(vs 神経は電気的信号ですばやく伝わる)
・視床下部とその下の下垂体は、対(つい)になっている。
*視床下部から下垂体へ”刺激ホルモン放出ホルモン”が出ると、
下垂体から各器官に刺激ホルモンが出て、
各器官からホルモンが放出される。
(各器官では目的とするホルモンだけを取り込む=鍵と鍵穴の関係)
*ひとつの現象に複数のホルモンが働いている。
例) 妊娠をした時
・視床下部から”乳腺刺激ホルモン放出ホルモン”が放出されると、
下垂体前葉から乳腺刺激ホルモン(プロラクチン)を放出し、→乳腺で乳汁を作る。
・下垂体後葉からは視床下部で産生されたオキシトシンが放出され、→母乳が出る。
・ホルモンの分泌量と使われる量の間にはフィードバック作用がある。
脳や脊髄からの情報と、血液中のホルモン濃度で、視床下部が判断し、濃度が薄くなれば、
下垂体に放出命令を送り、濃くなると抑制命令を出してコントロールする。
ホルモン分泌器官と分泌ホルモン
分泌されるホルモンはたくさんありますが、まずは、視床下部からの流れを覚えましょう。
視床下部から出るホルモンからの流れ
視床下部から放出されるホルモンは、下垂体で3箇所に分かれて放出される。(下垂体前葉、中葉、後葉)。
1.視床下部→下垂体前葉→各器官
視床下部からの命令によって、下垂体から放出されるホルモンとその働き。
*そのまま作用するものと、刺激ホルモンを放出することによって各器官からホルモンを出させるものがある。
成長ホルモン: そのまま全身の多くの組織に働く。
たん白質の代謝促進と血液の増加により、骨、筋肉、内臓の成長の促進。
乳腺刺激ホルモン(プロラクチン): 乳腺を刺激し母乳をつくる。
甲状腺刺激ホルモン(チリトロピン)、が放出されると
→甲状腺からホルモンが放出される(サイロキシン、カルシトニン)
副腎皮質刺激ホルモン(コルチコトロピン)が放出されると
→副腎皮質からホルモンが放出される(糖質コルチコイドなど)
性腺刺激ホルモン(卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、精子形成ホルモン)
卵胞刺激ホルモン(FSH)が放出されると
→卵胞からホルモンが放出される(卵胞ホルモン=エストロゲン)
黄体形成ホルモン(LH)が放出されると
→黄体からホルモンが放出される(黄体ホルモン=プロゲステロン)
精子形成ホルモンが放出されると
→精巣からホルモンが放出される(アンドロゲン=テストステロン)
2.視床下部→下垂体の中間部(中葉)→器官
色素細胞刺激ホルモン(インターメジン):
表皮基底層のメラノサイトに働きかける
3.視床下部→下垂体後葉で貯蔵され、必要に応じて放出されるホルモン
オキシトシン(子宮収縮、陣痛促進、乳汁放出促進)
バゾブレシン(抗利尿ホルモン、血圧上昇ホルモン)
器官からのホルモンの働き
・甲状腺から分泌されるホルモン
サイロキシン:多くの組織に働きかけ、基礎代謝の亢進。
過剰になるとバセドウ病
カルシトニン:骨の形成を促進するので、血中のカルシウム濃度は低下。
○副甲状腺から分泌されるパラソルモンは、カルシトニンと拮抗的に働く。
カルシトニンによって、血中のカルシウム濃度が低下すると、
パラソルモンがビタミンDと共に、骨中のカルシウムを血中に放出させる。
消化管にも作用し、カルシウムの吸収を促進してバランスを保つ。
・副腎皮質から分泌されるホルモン(コレステロールが材料)
糖質コルチコイド(コルチゾールなど):血糖値が上昇
抗ストレスホルモン、抗アレルギーホルモン、抗炎症ホルモンなので、
分泌されている時は、体がこれらの症状と闘っている。
電解質コルチコイド(アルドステロンなど):
体液のナトリウムの再吸収とカリウムの排泄を増加するので、体液の酸・アルカリバランスを調整する。
(血液や血圧の正常化=生命維持に必須)
副腎アンドロゲン: 副腎性の男性ホルモン。
更年期以降、女性ホルモンの分泌が少なってくると、ひげやすね毛などが生えやすくなる。
・卵巣から放出されるホルモン
黄体ホルモン(プロゲステロン):
受精卵の着床、妊娠の維持、乳腺の成熟に関与
・卵巣にある卵胞から放出されるホルモン
卵胞ホルモン(エストロゲン):
女性の二次性徴の発現、卵胞発育、子宮内膜肥厚、コラーゲン生成、カルシウムの吸収。
(更年期以降分泌が減少すると、シワができたり、骨粗しょう症になりやすい)
・精巣から放出されるホルモン
アンドロゲン(テストステロン):
男性の二次性徴の発現、精子形成
「視床下部→下垂体」の流れ、以外の要因で各器官から放出されるホルモン
・松果体から放出されるホルモン
メラトニン: 概日リズム(サーカディアンリズム)と関係していて、夕方から分泌され睡眠を誘導する。
小児の時はたくさん分泌されている。
メラニンの産生を抑制し、皮膚の色を明るくする。
(インターメジンとメラトニンは拮抗的なはたらき)
・副甲状腺から放出されるホルモン
パラソルモン :血中のカルシウム濃度が下がると分泌される。
甲状腺から分泌されるカルシトニンと拮抗的に働く。
骨中のカルシウムを血中に放出する。
一方で消化管にも作用し、カルシウムの吸収を促進。
・副腎髄質から放出されるホルモン
アドレナリン、ノルアドレナリン: 交感神経の刺激で分泌される。
アドレナリン: 驚いたり怖い時に多く分泌。
ストレス反応そのもの。
過剰になると、糖尿病、小動脈の収縮作用を引き起こす。
ノルアドレナリン: 怒りを感じた時分泌される。
過剰になると、躁状態、末梢血管の収縮作用を引き起こす
不足すると、無気力、無関心、うつ病などになる。
・すい臓のランゲルハンス島から放出されるホルモン
インスリン: 糖分が腸から吸収され、グルコースとして血中に入ると、ランゲルハンス島のB(β)細胞から分泌される。
グルコースをミトコンドリアに送り、血糖量を減らす働きをする。
余ったグルコースをグリコーゲンに生成し、肝臓に貯蔵する。
(過剰だと、脂肪に転化)
グルカゴン: 血糖量が減少すると、ランゲルハンス島のA(α)細胞から分泌される。
肝臓に貯蔵されているグリコーゲンを分解し、血糖量を増加させる。
注) 副腎は皮質(中胚葉由来)と髄質(外胚葉由来)からなります。
出るホルモンも違いますので、しっかり覚えてください。