排便について
大腸のはたらき
水分の吸収と糞便の形成。
腸内細菌叢(100種・100兆個)が、分解されずに大腸まで来た食物の残りかすを腐敗・発酵させ糞便形成の働きをする。
(ビフィズス菌、乳酸菌など)
大腸で約12時間かけて流動体から固形状になる。
小腸→上行結腸→横行結腸→下行結腸→S状結腸→直腸→肛門
(直腸から肛門へは大蠕動運動や糞便の重みで移動する)
肛門
内肛門括約筋:自律神経支配=不随意筋
外肛門括約筋:体制神経支配=随意筋(がまんできる)
排便のメカニズム
1.通常S状結腸に固形の形で溜まっているが、
2.重みと大蠕動運動(1日1-2回)で直腸内に送られると、
3.直腸壁の伸展と、内圧亢進を腸内の圧センサーが察知し、
4.情報が脳(排便中枢)、延髄、大脳皮質などにある上位中枢に送られる。
5.すると、便意がおこり、
6.反射的に交感神経の緊張がとれ、副交感神経を興奮させ、直腸蠕動を促進する。
7.それにより、内肛門括約筋をゆるみ、
8.上位中枢は陰部神経を介して、外肛門括約筋の意識的弛緩と腹圧の上昇をおこす。
9.そして、肛門から排泄される。
下痢・便秘
食事性便秘: 繊維質が少ないために起こる
習慣性便秘: 女性に多い(がまんが原因)。
弛緩性便秘: 老人、長期療養、出産後 - 腹筋力の衰えによるもの。
(適度な運動、食物繊維で改善)
痙攣性便秘: ストレスや自律神経のアンバランスによって起こる。 (特に副交感神経の過緊張)
結腸の痙攣で直腸に行くのに時間がかかる。
過敏性腸症候群: ストレスや自律神経のアンバランスによって起こる。
腹痛や慢性の下痢や便秘
乳糖不耐性: 牛乳を飲むと下痢をする。
遺伝的体質
排尿について
腎臓 について
腎臓の機能的最小単位を、ネフロンという。
腎小体で分子量の小さいものをろ過し、ネフロン(近位尿細管→ヘンレのわな→遠位尿細管)を通って、
尿は少量づづ膀胱へ送られる。
排尿のメカニズム
たくさんのネフロンから、腎盂に尿が集められ、尿管の平滑筋の蠕動運動によって、
膀胱に集められ、排泄。
蠕動の頻度: 副交感神経が刺激されると多くなる 。
膀胱は150~300mlで尿意を感じる。
1.尿量が増えると、膀胱の内圧が上昇し、
2.副交感神経が優位になる。
3.すると、排尿筋が収縮し、
4.膀胱括約筋がゆるみ、
5.排尿反射が大脳皮質のコントロールを受け、尿道括約筋が意識的に排尿を調節。
注) ・排尿筋と膀胱括約筋:
平滑筋性で自律神経系の副交感神経支配
不随意筋なので、自分でコントロールできない。
・尿道括約筋:
骨格筋性で体制神経支配
随意筋なので、緊張・収縮で排尿をコントロールできる。
排泄量の調節をするホルモン
抗利尿ホルモン(下垂体後葉から分泌されるバゾプレシン)
副腎皮質ホルモン(電解質コルチコイド=アルドステロン)
尿の量: 成人1.5リットルくらい
排尿の回数: 日中4~6回、夜間0~1回
頻尿: 昼10回、夜2回以上(膀胱炎や前立腺肥大症に多い)
稀尿: 1日2回以下
多尿: 1日3リットル以上
乏尿: 1日0.5リットル以下
泌尿器系の病気
糖尿: 血中のブドウ糖は、腎臓の糸球体でそのままろ過され、近位尿細管でほぼ100%再吸収され、尿には出ないが、
能力の限界を超えると、尿中に糖が出る=糖尿病
腎炎: 血尿・蛋白尿、浮腫、血圧の上昇がおもな特徴。
腎不全: 腎臓の機能が著しく低下し、血中に代謝産物がたまって起こる自家中毒。
腎盂腎炎: 女性に多い。尿に膿が混じって濁る。
治療は、抗生物質、安静、保温、水分摂取。
膀胱炎: 思春期以降の女性に多い。
3大症状は、痛み、頻尿、尿の膿による混濁。
尿道炎: 排尿初期に痛み。外尿道口のかゆみや発赤。
性行為感染症の場合もある。