6大栄養素とその機能について

ポイント 
健康と食生活については検定1級の範囲にもあったが、インストラクターではもう少し詳しく学習します。

6大栄養素

バランスのとれた食事とは、様々な食品から 6大栄養素をバランスよく摂取すること。

糖質+たん白質+脂質=3大栄養素 
3大栄養素+ビタミン+ミネラル=5大栄養素、
5大栄養素+食物繊維=6大栄養素

糖質

  すぐに利用できるエネルギー源(1gあたり4kcal
     脳、神経細胞の唯一のエネルギー源。 
     1日に必要なエネルギーの50-60%が望ましい。
     多量に摂取すると皮下脂肪として蓄えられる=肥満

   糖類の種類
     単糖類: ブドウ糖(グルコース)、プルクトース
     二糖類: ショ糖、オリゴ糖
     多糖類: 食物繊維(セルロース・ペクチン)、でんぷん

   口内のアミラーゼで二糖類(ペプチド)に分解され、分解酵素(α-グルコシターゼ)で更に分解され、
   グルコース(ブドウ糖)になって吸収され血中に入る

   すい臓から出るインスリンとビタミンB1の助けを得て、血中のグルコースを細胞に送り込み、エネルギー(ATP*)を産生

   また、一部のグルコースは肝臓や筋肉に送られ、グリコーゲンとなって貯蔵される。
    ・体内がエネルギー不足(血糖値の低下)になると、グリコーゲンをグルコースにして、ATP合成にまわす。
    ・筋肉(骨格筋)では、グリコーゲンをグルコースにして動かす。

    *ATP: アデノシン三リン酸
          ATPが分解する時にエネルギーが得られる。

タンパク質

 
   エネルギー源1gあたり4kcal)であり、細胞の主成分
   ホルモンや多種類の酵素の材料
   消化作用により、約20種のアミノ酸に分解・吸収され、筋肉・皮膚・血液・酵素やホルモンに。
    (内9種は必須アミノ酸で、必要量を摂取しないと、発育障害や病気に対する
     抵抗力が低下

   胃の消化液ペプチンで分解され、ペプチドからアミノ酸になり、小腸で吸収される。
   タンパク質に含まれるN(窒素)は肝臓、腎臓を経て、尿として排出される。

  <9種の必須アミノ酸>
    トリプトファン
    ロイシン
    リジン
    ヒスチジン(子供のみ)
    バリン
    スレオニン
    フェニルアラニン
    メチオニン
    イソロイシン

     覚え方:頭文字で「トロリー(ヒ)バス不明」

脂質

  効率の良いエネルギー源1gあたり9kcal)。
  体脂肪として蓄えられ、内蔵を保護し、身体の構成成分をつくる
  1日に使うエネルギーの20-25%の摂取が望ましい。
  体の中では作られない必須脂肪酸(リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸など)は、
  動物性脂肪・植物性脂肪・魚介類脂肪からバランスよく摂ると良い。
    
  十二指腸で、肝臓が作った胆汁で乳化し、すい臓からのリパーゼで分解され、脂肪酸(グリセリン)として
  小腸から吸収される (代謝が遅い)

  細胞膜のリン脂質を構成。
  ステロイドホルモンを合成。
    副腎皮質の糖質コルチコイド、卵巣のエストロゲン・プロゲステロン、精巣のアンドロゲン(テストステロン) 。
  コレステロールの構成物質。
  ・不足するとエネルギー不足で短命になる。

  コレステロールも身体の構成成分として重要な物質だが、摂り過ぎると肝障害や免疫系の過剰反応につながる

   ・飽和脂肪酸(動物性が多い。植物性はココナッツ)
   ・不飽和脂肪酸(植物性が多い)
     単価: オレイン酸(オリーブ油・カメリア油)
          パルミトレイン酸(マカデミアナッツ)
     二価: リノール酸 (月見草油)
     三価: α-リノレン酸
          (γ-リノレン酸)

ビタミン

栄養素の代謝を助けて身体の働きを正常に保つ。
      A・D・E・Kは、脂溶性で、生理機能を調整維持。
      B群とCは、水溶性で、補酵素。

   A
    植物性-βカロテン(別名プロビタミンA) (体内でビタミンA)
    動物性-レチノール (体内でビタミンA)
     ・不足するとロドプチンができなくなり夜盲症になる。

  B群
       B1: 体内でエネルギー代謝(糖の代謝)に関わる
            ・不足すると乳酸ができやすくなり、疲労回復が遅くなる。

       B2: 3大栄養素の代謝に関わる
            ・欠乏すると口内炎などになる。

       ナイアシン(B3):
           3大栄養素の代謝の補酵素。
           アルデヒドを分解(アルコールを飲むと体内でアルデヒドができる)。

       パントテン酸(B5): エネルギー代謝の補酵素。

       B6: たんぱく質の分解に欠かせない。
           皮膚、髪、神経伝達物質の合成に欠かせない。
            ・不足すると食欲不振、皮膚炎、疲れやすい、むくみなど。

       ビオチン(B7): エネルギー代謝の補酵素

       葉酸(B9): 赤血球の合成=造血のビタミン
                ・妊婦は、足りなくなると胎児に影響する(神経管・脳)。
        
       B12: 葉酸と一緒に造血作用(血球の合成)。
           アミノ酸の合成。
            ・欠乏すると悪性貧血や、神経・脳の機能が保持できなくなる。

    : コラーゲン(たんぱく質)の生成。
       酵素作用を増強・。
       副腎皮質ホルモンの合成を助ける=ストレスに対する抵抗力を高める
       鉄分の吸収を良くする=貧血の予防。
       ビタミンEの作用を増強=過酸化脂質の抑制。
       風邪のウイルスの活動をおさえ、回復を早める。
       コレステロール値を低下させる。
       小腸から吸収され、副腎に多く存在。

    D: カルシウムやリン酸の吸収を促進=骨や歯の石灰化を促す。
       コレステロール値の低下。
       紫外線に当たると皮膚で合成され、肝臓で蓄えられる。
       ・不足するとイライラしたり、骨軟化症になる。

    E(トコフェロール):
      血液循環を促進。
      強い抗酸化力(老化防止のビタミン)
      善玉コレステロールを増加 する。

      細胞膜に存在し、これを守る。
      黄体ホルモン・男性ホルモン・ステロイドホルモンの生成分泌に関与。

    K: 血液の凝固に関わる(さらさら)

ミネラル

 身体の機能を調節する栄養素。
 体組織(骨・歯・血液など)の構成成分。

    ナトリウム: 細胞内に入ってくるとむくみ、血圧を上げる。

    カリウム: 細胞内で水分を外に出す働きがあるので血圧を下げる。

    鉄: ヘモグロビンの成分として酸素を運搬。
       成人の体内に約3g。
       吸収されにくく、不足しがち。
       ビタミンCが吸収を助ける。
       タンニンは吸収を阻害。

    リン: 骨・歯の形成。
        血液中のpH緩衝作用。
        過剰はカルシウムの吸収を低下させる。

    カルシウム
        99%は骨と歯にある(骨や歯は体内のカルシウムの貯蔵庫)。
        不足すると骨や歯から血液中に流出して濃度を一定に保つ。
        エストロゲンが不足すると、血中に放出されるので、骨中のカルシウムが減り骨粗しょう症になる
        神経の興奮や筋肉の収縮を調整。
        ホルモン分泌、細胞分裂、免疫機能に関与。
        ビタミンDが体内への吸収を助ける。
        運動をしないと骨に蓄積されない。

    マグネシウム: 新陳代謝の調節・抗ストレス。
              毛細血管を強くする。

    亜鉛: 3大栄養素の代謝に関与している。

    ヨウ素: 基礎代謝機能を高める。

食物繊維(難消化性多糖類)

エネルギー源や身体の構成成分にはならないが、特別の栄養学的効果がある。
腸の蠕動を促進し、便通を整える→大腸がんを防ぐ効果がある。
多くの栄養素や非栄養素を吸着する働きがあるので、血中コレステロールや血糖値の上昇を抑える。

   水溶性
     ペクチン
     グルコマンナン(こんにゃくに含まれる)
     アルギン酸(海藻に含まれる)
     水分を吸い込んで膨張し、小腸での栄養素の吸収を抑制。
     脂肪の吸収抑制・血糖値の上昇の抑制・コレステロールの排泄作用
     =生活習慣病の予防

   不溶性
     セルロース・キチン・オリゴ糖
     腸を刺激し、通過時間を短くする。
     有害物質の吸着力が高い。
     腸壁を刺激して蠕動運動を促進=大腸がんの予防